2013年10月27日日曜日

マーケティングと知的財産権


トニックシャンプーや、固めるテンプル。カビキラーなどの、定番、ヒット商品を開発した梅澤先生。この梅澤理論は、マーケティングのバイブルとして、多くの大企業の商品開発に応用されている。その真髄はなにか?

私の拙い理解では、下記の部分が根幹的な考え方ではないかと感じた。

「消費者は2度評価する」

つまり、買う前に、「お、この商品買ってみたい」というイメージを持つこと。
そして、買った後に、「この商品、思っていたように良かったな」という心証を持つこと。

梅澤先生は、前者を、「コンセプト」(C)と呼び、後者を「パフォーマンス」(P)と呼んだ。

これを、業界では、CP理論と呼ぶ。つまり、いかに、良いコンセプトを創造して、それを支えるパフォーマンスを得るか。

たとえば、カビキラーは、お風呂のカビを根こそぎ綺麗にするコンセプトで、実際に、素人でも、お風呂のカビを根こそぎ綺麗にできるパフォーマンスを備える商品である(実際にそこまでのパフォーマンスがあるかはわからないが、根こそぎ綺麗になったと素人では感じられる商品であるとは言えるだろう)。

つまり、カビキラーのヒットを支える構成要素としては、

1 「カビを根こそぎ綺麗にできる洗剤」の存在

2 「この洗剤のイメージをすぐに伝えられるネーミング」の存在

3 「この商品を誰もが知って、店頭に買いに行くための広告」の存在

4 「実際に、どこの店舗にもこの商品が並ぶための流通」の存在

5 ・・・・

などが、必要であることがわかる。

このうち、1は、特許を申請することで、その技術を独占して、利益を保護できる。
また、2は、商標を申請することで、ネーミングを独占して、利益を保護できる。

えっ! 知財の役割は、これでおしまいか?

かろうじて、もう一つ見つけることができた。

特許を申請することで、商品コンセプトに対して、これが新規な技術であることを客観的に示す、技術的な保証を与えることができるのではないか。つまり、パフォーマンスが良いのでは、という期待を顧客に与えることができる。

結果として、特許を表示している商品は、通常、今までにない新規技術であるわけだから、購入後の顧客評価であるパフォーマンスも良いはずである。したがって、リピート率が増えるはずである。

ということは、これを学習する顧客は、逆に、特許表示があると、パフォーマンスが高い商品ではないか、と推測する場合が発生するであろう。

知的財産権は、CP理論に沿って考えると、新規商品の一部の保証を行い、営業効果を高め、その利益を持続できる、というのが基本的な役割といえるだろう。