2011年3月1日火曜日

人を動かす交渉力とは?


「私も数々の国際的な交渉をして来ましたが、アンジェリーナ・ジョリーのような人は一人もいません。」

先日、交渉論に精通した知財戦略の専門家である、秋沢伸哉先生の講義を聴きに行きました。
平日の昼間、2時間の講義にも関わらず、250人がびっちり埋まっていました。

「皆さんが連想される、交渉人っていうのは、いわゆる、テレビや映画などのイメージで、米倉涼子さんとか、アンジェリーナ・ジョリーのような人が、ミッション・インポッシブルのトム・クルーズみたいな、全身黒で、スタイルバッチリの服を着ていることを想像しますよね?」

「でも、ハードネゴシエーターが集まると言われる国際会議では、ふくよかで年配のおばちゃんや、私のような普通のオジさんしかいません。」

そりゃ、そうですよね。

僕の思っていた、交渉人のイメージは、いわゆる、ハードな天才交渉人で、どんな意見を言っても、合理的にねじ伏せてしまう・・そんなイメージでした。ですので、やっぱり、米倉涼子さんの外見イメージで、頭の中は、勝間和代さんがバッチリかな・・。

でも、そんな人ばかりが、国際会議に集まってきて、国の代表が、論理の戦いを繰り広げて、交渉をしている・・・。ある意味ではそういう一面もあるかもしれませんが、それよりも、交渉において大事なことがあるのでは?ということは、直感的にわかりますよね。

秋沢伸哉先生の講義では、「交渉とは、一般的には、立場を駆け引きするものと捉えがちであるが、交渉とは、お互いで問題解決する意思決定を行うもの」ということ。

「だけど、交渉相手と一緒に問題解決するには、相手のことを大変、深く理解しなければなりません」ということでした。

私も含め、日本人は、どちらかというと、交渉が苦手で、ソフト的な解決が多いように思います。つまり、交渉相手との関係を重視しすぎて、交渉を譲歩しすぎて終わってしまう傾向がありませんか?

しかし、このようなソフト的な解決は、譲歩しすぎていますから、交渉は失敗ですし、その後、相手をよく思わない結果となるでしょう。ですので、思い切って、「それは、のめません」と断ってみますか?そして、相手のことをよく理解する。自分のこともよく理解してもらう。そうすると初めて、交渉相手が、一緒に問題解決をするパートナーになるかもしれませんね。

先生は、モスクワの権威の方に、北方領土の問題について質問したそうです。

「時間はかかるけど、40年後には、日本の思うとおりになるよ。日本人は、誠実です。その誠実さで、何年もかけて交渉して、ロシア人に理解してもらえれば、日本の考える通りになるのではないか」「日本人というのは、対立軸だけで物事を考えない。だから社会が複雑だが、これからの時代はこういう考え方こそ、世界が求めているのではないか。」


もちろん、こんなことを言われて、傲慢になることはできませんが、日本人って、これから世界をリードする交渉人になれるかも?


(講義の主たる内容は、自信があるのですが、若干、正確さにかけるところがあるかもしれません。気がつかれた方は、コメントをいただけると幸いです。)


(写真は、歌川広重の藤枝人馬継立: 昔から役人さんとの賃金交渉は大変だったのかな・・。)


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