2011年5月20日金曜日

SNS時代に企業情報を、どうコントロールするか?

「OPEN LEADERSHIP」日本語の題名は、フェイスブックと書いてありますが、
企業にとってSNS時代のオープンとはなにか?について書かれています。
ツイッターやFacebook・・・流行っていますよね。私も、SNSは自信がなかったこともあり、長く敬遠していましたが、最近はじめてみました。

ご存知のとおり、一人の顧客が自社のサービスや製品のクレームをツイッターでつぶやいたら、その会社の失態は世界中に知られてしまいます。そうすると、企業は一人ひとりの顧客に対して、誠心誠意で付き合わなければ、営業成績が落ちたり、企業イメージが悪くなるといった、大変なことになってしまいます。

これは、ツイッターというツールならではの効果かと思うのですが、人類には、「王のジレンマ」とよばれている、ちょっと似たような事例が遠い過去にあるようです。

印刷機が登場するまでは、教育は、一部の特権階級の人に限られていました。この教会や貴族などの特権階級の人々は、印刷機の登場により一般市民が字を読めるようになると、今の地位に不満を感じて、反抗するのではないかと考えました。つまり、一般市民に、本を読ませ、啓発させると、王は地位を失ってしまうから、印刷機を普及させないほうがよい?ということになります。しかし、人々が本を読み、考える力は強力な欲求であり、王が抑えることができませんから、印刷機の普及を弾圧する力は、かえって、王にとって良くないと思われます。

ツイッターでいえば、ツイッターで自社のことを悪くいうことを弾圧したり、ツイッターそのものを悪く言うのは、効果的ではない・・ということでしょうか。

もちろん、王様だって、人々に本を読ませると、すぐには、王政が覆ることはないでしょう。しかし、知識を得た一般市民が、自分たちの社会を作ったことは言うまでもありません。

それでは、会社は、どうなるのか?

ユナイテッド航空を利用したギター弾きデーブキャロルが、シカゴの空港で、自分のギターを放り投げていることを目にする。当然、ギターは壊れ、修理代1200ドルであった。キャロルがクレームをユナイテッド航空に言っても、とりあってくれない。そこで、キャロルは、このことを歌にして、Youtubeに投稿しました。すると、この再生回数は100万回を超え、ユナイテッド航空の広報担当が彼に謝罪をしたようです。

ツイッターを武器に、一般市民は、大企業を相手に戦うことができるようになりました。そうすると、会社は、どうしたらよいのでしょうか?

常に、誠実に顧客に向かい合うしかない、のでしょう。

つまり、客観的に会社のよくない情報を隠して、オープンになることに避けることに全力を注ぐのではなく、そもそも、その客観的によくない情報を生み出さない企業を目指すということを、この本では、提案しています。

そうすると、企業は、自ら、客観的に顧客にとって良い会社にならざるを得ません。いわゆる、企業論理(ギターは投げたほうが、丁寧に運ぶより従業員の手間がかからず、短時間で運べる)・・というものよりも、顧客論理(大切なギターだから、丁寧に運ぶ)が優先される会社になります。自浄するといえばよいでしょうか。

SNSにより、顧客にとって良い会社が増える・・ようにも思われます。


SNS時代に企業情報を、どうコントロールするか?

それは、企業情報をコントロールしなくても、何を言われても、顧客信頼度を失わない態度と、姿勢なのだと思われます。

(OPEN LAEDERSHIP:「フェイスブック時代のオープン企業戦略」(著シャーリーン・リー:「朝日新聞出版」」)は、非常に参考になる本かと思いますが、SNSを体験してから読まないと、感覚として、理解が難しいかなと思います。しかし、上記の紹介は、ほんの一部であり、今の時代に情報をオープンにするとは、どういうことなのか、この状況でのリーダーシップのあり方は?という点で、数多くを教えてくれるように思いました。)

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