2012年2月10日金曜日

製品を販売して、顧客の反響を見てから特許を取ることができるようになります。

何よりも早く、特許出願しなくてはダメなんです!

なぜなら、特許要件である新規性が失われてしまいますから。


みなさんも、このような説明を、特許に関する説明で受けてきたのではないかと思います。ですから、製品が売れるのか、売れないのか判断がつかないまま、ひとまず、特許出願することを薦められていたと思います。

特許出願は、中小企業の開発費用としては、高額です。最近の法改正で、審査請求料が、若干、減額されましたが、登録まで合計50万円近くの費用がかかることは否めません。

ですので、結果的に、特許出願を行うことは、コスト的に躊躇されることも多いと思います。例えば、製品を販売してみて、顧客の反応が良く、これは、売れるな、と感じられてから、特許を出願したいというのも自然な考え方です。販売が好調ですと、特許出願費用も、売上額の一部から捻出することができますし、なにより、同じような製品を他社に模倣されて、販売されては困ります。

ですので、この販売見込みが立った時点で、特許出願を行うことは、ビジネスの流れからは、自然でした。

しかし、この“販売”を、一度してしまうと、製品は新規性を喪失してしまい、特許を受けることができませんでした。新規性喪失の例外という対応方法があるのですが、残念ながら製品の販売行為が、例外行為として認められておりませんでした。

これが、平成23年度の改正で、販売も、新規性が喪失した例外的な扱いとして、認められるようになりました。今年の4月1日より、この制度が適用されますので、企業においても、販売実績を考慮して、特許出願を行うことが可能となりました。


ただし、販売してから6ヶ月以内に、特許出願を行わなくてはなりません。特許事務所に、特許の書類作成を依頼すると、1ヶ月程度かかりますので、事実上、5ヶ月程度で、判断する必要があるでしょう。

ちょっとした法改正ですが、出願人には大きなメリットになります。制度をうまく利用して、適切で有効な特許の取得を目指しましょう!