2011年6月29日水曜日

中国 新幹線で国際特許申請

中国鉄道省は、海外からの技術供与を受けて開発し、製造している高速鉄道の車両について、特許の申請手続きを日本やヨーロッパなどで進めていることを明らかにしました。日本やドイツなどの先進国から技術提供を受けていながら、その技術提供を受けている国が、なんで特許出せるの?しかも、国際特許って・・。という疑問がわきますよね。通常、技術提供を行う場合、その提供を受ける側が特許等の知的財産権を取得しないことを条件に、提供側は技術提供します。つまり、事前の契約で、特許を取らないことを約束します。しかし、今回、特許が出願されたということは・・。おそらく、このような契約条項がなかったのだと思われます。確かに、中国の仕事を受注するのは、先進国にとって至上命題だったと思いますから、特許取得を認めない規定がなくてもいいから、中国に技術提供して仕事を受注したい・・。そんな思惑があったのかもしれません。とすると、この新幹線の技術提供では、先進国よりも戦略として進んでいたのは、中国の戦略なのかも?(2011/6/28 NHK NEWSWEB

2011年6月23日木曜日

インターネットアドレス大幅自由化―社名なども可能に

インターネットのアドレスとなるURLですが、現在、「.com」や「.jp」に限られていますが、今後、何でも使える、という状況になりそうです。いわゆる、このURLは、21世紀の商標のようなものといっては、言いすぎでしょうか。企業や個人のアピールのために重要なシンボルとなります。これが自由になるということで、例えば、家具販売の「IKEA」が、「.IKEA」なでのURLを使うことができるということです。なんだか、使用する文字のセンスが問われますよね。例えば、「Socidea.Miyazaki」など、住所の表記のようにも使えますが、「080XXX.5555」など、電話番号みたいに使えたりしますね。ちなみに、Googleは、「www.google.com」、「www.google.com.jp」、「www.google.co.uk」など、他社に取られたくないドメインを、現在でも数多く取得しています。ですので、この自由化で、著名企業が抱え込まなくてはいけないドメイン名が増えてしまうかも?(WALL STREET JOUNAL 6/21

2011年6月21日火曜日

商標登録:「幸せます」 防府商議所が出願、十数社が使用申し出 

その地域で、有名で、かつ、いいイメージの言葉やマークを使って、地元の商品を盛り上げる!こういった地域の戦略は、地域のイメージを明確にアピールできます。

防府市の防府商工会議所が、「幸いです」「うれしく思います」などの意味を持つ山口県の方言「幸せます」を特許庁に商標登録出願し、今月初旬に登録されました。

お土産も、全国的に名物の商品にならないと、地域のお土産を買ったという印象がわきにくく、お客さんはあまり買ってくれないこともありますよね。山口=「幸せます」というイメージで、アメやお菓子、お漬物など、商品の種類に依存せずに、ロゴと呼び名全体で、統一感を持たせることは、それぞれの商品が個別の名称を持つよりも、明確なイメージを顧客に持たせることができるのではないでしょうか。

年間使用料が5000円というのも、ライセンスしやすいですね。戦略を考えた防府市に頑張って欲しいです。宮崎も負けていられない?(毎日新聞:山口版:20011/6/17)。(毎日新聞:山口版:20011/6/17)。

2011年6月11日土曜日

7月2日に、全国で「弁理士の日」記念無料知的財産相談会があります。

この日は、弁理士の日でして、全国で無料の知財の相談会があります。予約等は不要でして、いきなり来て、発明、特許、商標等の相談をすることができます。宮崎は、あまり、相談者がいないため、弁理士さんがお暇になってしまうこともあるようです。勿体無いですので、是非、ご活用ください。宮崎は、市内のホテルメリージュで行われます。県内の遠方からのご相談も大歓迎です。現在、調整中ですが、午後1時からは、所長の小木が担当させていただくかもしれません。是非ともご利用ください!

2011年6月5日日曜日

顧客とのコ・クリエーション


従業員、顧客などを巻き込んで、これらのアイデアを製品に活かすことが、企業を強くする。

「生き残る企業のコ・クリエーション戦略」(徳岡書店)は、価値共創を提唱した、C・K・プラハラード教授の考え方を、ベンカト・ラマスワミ教授とフランシス・グイヤール教授が承継して、現在の企業にあてはめて分析した名著です。現在のビジネスモデルには、既に価値共創が必須となりつつあるのでは・・、ということを認識させます。昔からあるように、従業員を巻き込んでアイデアを製品に活かすというのは、部署を越えて、社員全員で製品アイデアについて考えるということです。それでは、顧客を巻き込むとは、現在においては、どのようなやり方なのか。

「ソフトウェアとはユーザの体験そのものです」

こう言い切るのは、有名なアップルのスティーブ・ジョブズです。アップルは、ソフトウェア、ハードウェアとともに、ヒューマンウェアということを、ビジネスの重要な要素と考えているようです。

アップルは、自らのソフトウェアの開発ツール(SDK)を外部に開放して、世界中の開発者が、自らアップルのソフトウェアを開発することができます。つまり、アップルの開発の喜びさえ、顧客は体験できるのです。そして、関係者である彼らから、様々な意見をもらい、それを新たなアップルの製品開発に反映させています。このような顧客は、時に、熱烈なファンになることが多いので、多くのエネルギーをアップルに費やしてくれて、そのエネルギーから生まれたアイデアを、アップルという会社にフィードバックしてくれるのでしょう。

このように、価値競争のビジネス面での現状の分析を各企業について解説してくれますが、この本で、私が最も価値があると感じたのは、本の最後の章に書かれた、コ・クリエーション型経済の到来という章です。

コ・クリエーションの枠組みを活用すれば、新たな富の想像ができるのではないかということを提唱しています。

つまり、上記の価値共創によれば、リンカーンのようにいうと、

「従業員や顧客(以下、関係者)のための、関係者による、関係者のための企業」をデザインすることが、ビジネスの成功を導くのではないかということになります。

当然、従業員のための企業をデザインすることは、魅力的な雇用となり、そこで働く人が豊かになり、ポジティブなアイデアが生まれる・・という好循環を生み出す可能性があります。

一方、顧客のための企業をデザインするとは、一般の人のための企業をデザインする・・ということになります。これは、企業が企業のためではなく、国民といいますか、一般人のために行動するということになりまして・・・どういうことなのか・・。今の世の中では、想像がつかない気もしますね。。

本の中では、このコ・クリエーション型の未来経済のヒントを述べて、この本を閉じています。このヒントとは、ビル・ゲイツが講演で、アダム・スミスから引用した以下の言葉です。私は、この考え方が、現状の資本主義の限界を変えていく可能性があるような気がしてなりません。

「人間がいかに利己的だと考えられていようとも、人間の本性には明らかに、ある原則が存在する。人間は他人の運命に関心をよせ、他人の幸福を必要とするものだ、という原則である。」


「次の新しい資本主義のシステムは、このように他人の運命に関心を寄せ、それを自分自身の運命に結びつけます。両者の生活を向上させるようなかたちで結びつけるのです。この利己心と他人への思いやりを兼ね備えた混合型システムは、そのどちらか一方のシステムよりも、はるかに多くの人に利益をもたらすでしょう。」

直接的には、この話が、コ・クリエーションの考え方とは、結びつかないかもしれませんが、示唆としては、非常に興味深く感じました。

つまり、企業自身ではなく、他人である関係者を中心とした資本主義に代わるシステムを、人類は構築できる本性があるし、次の時代には、作るべきではないか・・。ということだと思います。

現状の資本主義に限界を感じることもありますね。しかし、これがまだ、発展段階のシステムであると考えると、未来に希望が見えてきます。企業の意識変化が、次の資本主義を作る原動力になるのかもしれません。

2011年6月1日水曜日

特許法改正で中小企業の特許料の減免が10年に拡大

特許法の改正により、中小企業が支払っている特許料の減免期間が拡大しました。通常、特許は、登録されると、年金と呼ばれる特許の維持料金を、毎年支払わなければなりません。しかし、会社の経営状況があまりよくない場合や、開発に対する投資額が大きい中小企業さんは、申請をすることで、この維持料金を国から免除していただけます。この免除の期間が、3年から10年に拡大されました。10年は、特許の存続期間の半分ですから、効果も大きいのかと思います(経済産業省「特許法等の一部を改正する法律案について」